立山、剱岳周辺の高山帯、亜高山帯は膨大な積雪量など環境の制約が大きいせいか、以前はイノシシやニホンジカの姿を見ることはほとんどありませんでした。 しかし近年、積雪量の減少によるものか、あるいは個体数が増えているためか、真砂沢ロッジ周辺でもニホンジカが頻繁に目撃され、内蔵助平などでは多くの痕跡も見つかっています。 また、室堂近くでもイノシシが目撃され、私も剱御前小舎勤務だった2015年には別山乗越でイノシシの成獣を目撃しています。 ニホンジカによる高山植物の食害は南アルプスなどでも大きな問題になっており、地面を掘り返して植物や小動物など何でも食べてしまうイノシシたちもデリケートな高山の生態系にとっては大きな脅威です。
成長スピードはすさまじく、雪解けとともに芽を出し、あっという間に3メートルほどにも成長します。登山道をどんどんジャングル化して山に戻していく登山道整備の難敵です。 人間にとっては困ったちゃんのイタドリですが、野生の植物のパワーとエネルギーを畏怖とともに感じさせてくれる存在です。